60代からの新NISAを活用した資産運用
以前は60歳で定年退職したら老後は退職金と年金で足りない分は貯蓄を取り崩して生活する考え方が一般でしたが、もはや年金もあまり当てにならない時代です。
現在は、長寿高齢化により取り崩し期が長くなっているため、貯蓄した資産が底を突き、老後資金が不足してしまう可能性があります。それを防ぐためにも60歳を過ぎたらまず、自分の資産の棚卸しをすることからはじめ、使う時期や目的を考え、計画的な資産運用で「資産の寿命」を延ばすことが重要です。
そこで、60代からでも資産運用がはじめられ、投資未経験の方にも適しているお得な新NISA制度を活用して、老後資金を長持ちさせませんか?
1. 保有している金融資産がどれくらいあるかを整理しよう
まず、ご自身の資産状況を把握するところからはじめましょう。
- ・銀行や証券会社など、各金融機関の口座に分かれている資産の合計額をまとめてみましょう。
- ・終身保険や養老保険などは、その解約返戻金に相当する金額も明確にしておくとよいでしょう。
- ・プラスの資産だけでなく、マイナスの資産も要チェックです。
2. おおまかに資金使途を3パターンに分類してみよう
資金使途の分類化により、預金で管理する分と運用に回す分をどれくらいにすればよいかが分かり、無理のない効果的な貯蓄と運用が可能になります。
ここで使途別①~③の資金の移動先のご紹介をいたします。
- ①使うお金(必要になったらすぐに引き出せる)
日々の生活費や病気やけがなどのトラブル用に備えるお金
⇒普通預金 - ②使い道が決まっているお金(時期に合わせて運用ができる)
住宅のリフォームや車の買い替え、家族旅行やイベントに使うお金
⇒その時期に合わせて定期預金や株式・投資信託などの収益性がある金融商品 - ③当面使う予定がないお金(積極的に運用できる)
用途が決まっていない預貯金、相続することになりそうなお金
⇒長期的に資産運用できる株式・投資信託などの収益性がある金融商品
このように分類してみると、運用に回せるお金がどのくらいかが見えてきます。
のちほど、これらのお金を効果的に運用する方法をご説明します。
3. 2024年からの新しいNISAについて
まずは、これから資産運用をはじめる方におすすめの「NISA」制度をご紹介します。
NISA制度のメリットは、運用で得た利益に税金がかからないことです。
通常、投資で得た配当金や値上がり益には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば、投資で得たこれらの利益に税金がかからず、通常よりもお得に投資することができます。
またNISAを利用するにあたって年齢制限はないので60代からでも始められます。さらに運用している資産は必要に応じて適宜売却することができます。
これらのメリットに加えて、2024年1月から新しいNISA制度がはじまり、抜本的拡充・恒久化が図られました。
2023年までのNISA | ||
---|---|---|
呼称 | 一般NISA | つみたてNISA |
投資手法 | 自由 | 積立 |
制度間の関係 | 「一般NISA」か「つみたてNISA」のいずれかを選択 | |
投資対象 | 上場株式、公募株式投信、上場REIT、ETF等の全般 | 長期投資に向く公募株式投信、ETF
|
投資可能な 期間 |
2023年まで | 2042年まで |
非課税 保有期間 |
5年間 | 20年間 |
年間の 投資上限額 |
120万円 | 40万円 |
累計 投資上限額 |
実質600万円 (120万円×5年) |
実質800万円 (40万円×20年) |
売却した場合の扱い | 年間非課税枠は復活しない |
2024年からの新NISA | ||
---|---|---|
呼称 | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
投資手法 | 自由 | 積立 |
制度間の関係 | 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」のいずれも利用可能に | |
投資対象 | 上場株式、公募株式投信、上場REIT、ETF等の全般
|
長期投資に向く公募株式投信、ETF
|
投資可能な 期間 |
恒久化 | |
非課税 保有期間 |
無期限 | |
年間の 投資上限額 |
240万円 | 120万円 |
計360万円 | ||
累計 投資上限額 |
1,800万円 内、成長投資枠の上限額1,200万円 |
|
売却した場合の扱い | 累計非課税枠は復活する |
2023年までのNISA | 2024年からの新NISA | |||
---|---|---|---|---|
呼称 | 一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
投資手法 | 自由 | 積立 | 自由 | 積立 |
制度間の関係 | 「一般NISA」か「つみたてNISA」のいずれかを選択 | 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」のいずれも利用可能に | ||
投資対象 | 上場株式、公募株式投信、上場REIT、ETF等の全般 | 長期投資に向く公募株式投信、ETF
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上場株式、公募株式投信、上場REIT、ETF等の全般
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長期投資に向く公募株式投信、ETF
|
投資可能な 期間 |
2023年まで | 2042年まで | 恒久化 | |
非課税 保有期間 |
5年間 | 20年間 | 無期限 | |
年間の 投資上限額 |
120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
計360万円 | ||||
累計 投資上限額 |
実質600万円 (120万円×5年) |
実質800万円 (40万円×20年) |
1,800万円 内、成長投資枠の上限額1,200万円 |
|
売却した場合の扱い | 年間非課税枠は復活しない | 累計非課税枠は復活する |
2024年からスタートした新しいNISA制度では『成長投資枠』(旧一般NISA)と『つみたて投資枠」(旧つみたてNISA)の2種類があります。
新NISAの主な変更点は以下になります。
- ・これまでは「つみたてNISA」と「一般NISA」のどちらかしか選べませんでしたが、新NISAでは一本化され『つみたて投資枠』と『成長投資枠』のいずれも利用可能となりました。
- ・投資上限額が二つの枠を合わせて最大年間360万円までアップしました。
『つみたて投資枠』年間120万円まで、『成長投資枠』年間240万円まで投資可能になり、これまでの「つみたてNISA」年間40万円、「一般NISA」年間120万円から大幅にアップしました。 - ・非課税保有期間が無期限になり、投資家が長期的な投資計画を立てやすくなりました。
結果、売却の時期を自分で決めることができるため、運用でマイナスになっていても期限が迫って売却する必要がなく、値上がりするまでそのまま保有し続けることも可能になりました。 - ・非課税保有限度額が全体で1,800万円にアップしたため、より多くのお金を投資に充てることができます。また、枠の再利用が可能となりました。
- ※全体1,800万円のうち成長投資枠は1,200万円までです。
4. 60代の資産運用はNISAを活用しよう
60代の老後に備えるための資産運用はハイリスクス・ハイリターンを目指す投資よりも、「預貯金をベースにしつつ、物価上昇に負けない程度のリターンを目指す投資」がおすすめです。
また投資に回す金額は、目次1.2.でご説明した、ご自身の保有する金融資産を把握し、資金使途を分類した後、用途が決まっていない預貯金から優先的に投資に回すようにしましょう。
なお、使途の時期があらかじめわかっている資金においても必要なタイミングまで投資は可能です。新NISAは売却しても、翌年以降に売却した商品の取得価額分の非課税投資枠を使って新たに投資できるので、必要なタイミングで売却してそのあとに再度上限内であれば生涯にわたって非課税で投資・運用ができるというわけです。
投資に回す金額を把握したら、次は成長投資枠とつみたて投資枠の違いを理解し、分類した資金使途の資産運用はどちらに適しているか、またご自分の投資スタイルに適しているかを考えてみましょう。
投資が初めて!なるべくリスクを抑えたい方は『つみたて投資枠』がおすすめ
- ・少額からコツコツ投資したい
- ・長期で資産運用に取り組みたい
- ・なるべく投資に手間をかけたくない
投資未経験者は少額でも運用可能な『つみたて投資枠』を使ってコツコツと資産運用できる積立投資がおすすめです。
『つみたて投資枠』とは、以前までの「つみたてNISA」を引継ぐ存在です。
長期にわたった資産形成を目的とする投資枠で、短期で大きなリターンを狙えません。
『つみたて投資枠』がおすすめの理由
・長期運用で複利効果が得られる
複利効果とは、運用で得た収益を元本にプラスしてふたたび再投資することで利益を得ることです。いわば、利益が利益を生んでふくらんでいく効果のことです。運用期間が長くなるほど複利の効果が大きくなります。
・タイミング分散で買付価格を平準化できる
毎月決まった「金額」を定期的に積み立て投資することで購入価格を平準化するため、毎月決まった「数量」を購入するより、価格のブレを抑えて1口当たりの単価を安くできるかもしれないメリットがあります。また金額とタイミングを決めてしまえばあとは自動的に投資できるため、手間も少なく済みます。
・銘柄をバランスよく分散投資できる
銘柄を分散投資するとは、異なる価格の動き方をする金融商品を組み合わせ複数に分けて投資をすることです。
一度にまとめて1つの銘柄に投資した場合、その銘柄が暴落したりすることがあれば、自分の資産が大幅に目減りすることに直結してしまう恐れがあります。複数の銘柄に分けて投資することで、投資先の価格変動リスクを抑えることができるのです。
・対象商品が厳選されている
『つみたて投資枠』で投資できる商品は、金融庁が定める要件を満たす長期の積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。初心者にとっては取組みやすいです。
『つみたて投資枠』の注意点
投資対象の商品は限定されているものの、あくまで投資のため、損失が生じる可能性があり、資産が減る可能性はゼロではありません。
なお通常の投資活動では、損失が出た場合、他の利益と相殺する「損益通算」、損失を翌年以降の税計算に持ち越せる「繰越控除」などの節税が可能ですが、NISA口座の損失はこの節税手法が使えません。
投資経験があり資産運用に抵抗がない方には『成長投資枠』がおすすめ
- ・まとまった資金で運用したい
- ・個別株やETFに投資したい
- ・相場のタイミングを見定めながら短期で大きなリターンを狙いたい
『成長投資枠』とは、現行の「一般NISA」を引継ぐ存在であり、上場株式(日本株式や外国株式)、ETF(上場投資信託)、REIT(上場不動産投信)や公募株式投資信託など幅広い商品を購入できる枠のことです。
また、投資した金融商品から得られる分配金や配当金、譲渡益といった利益が非課税となります。
非課税で保有できる総枠1,800万円のうち、成長投資枠で保有できるのは1,200万円までとなりますが、つみたて投資枠との併用が可能になり、より資産形成しやすくなりました。
『成長投資枠』がおすすめの理由
・幅広い商品に投資できる
投資経験があり、ある程度のリスクが許容できる方には、年間の非課税投資枠が相対的に大きく、投資できる商品の選択肢も広い「成長投資枠」がおすすめです。
・スポット購入ができる
『つみたて投資枠』と異なり『成長投資枠』ではスポット購入も可能です。狙っていた銘柄が値下がりしたタイミングなど、お好きなタイミングで年間240万円まで一括購入ができる点も魅力です。
・株式投資で配当金や株主優待を受け取れる
株式投資のメリットは主に「株式の値上り益」と「配当金」、「株主優待」の3点です。株式の積立を行えば、長期間で投資時期をずらして買付でき、株主優待株や高配当株をバランス良く分散投資をすることで、「配当金」を生み続けることも可能です。
『成長投資枠』の注意点
投資対象が幅広い分、リスクや手数料が高い商品を購入してしまい、大きな損失が生じてしまう可能性があります。
なお通常の投資活動では、損失が出た場合、他の利益と相殺する「損益通算」、損失を翌年以降の税計算に持ち越せる「繰越控除」などの節税が可能ですが、NISA口座の損失はこの節税手法が使えません。
5. 60代の資産運用の考え方
初心者におすすめの『つみたて投資枠』の銘柄は?
60代は老後に備えるための資産運用として、「預貯金をベースにしつつ、物価上昇に負けない程度のリターンを目指す投資」がおすすめです。
まず投資を始めてみようという方には『つみたて投資枠』をおすすめします。
資産運用の王道は「長期」「積立」「分散」と言われますので、まずは長期・積立を満たす『つみたて投資枠』の対象商品から、「分散」「コスト」を軸に以下の観点で商品(銘柄)を選ぶとよいでしょう。
- ●全世界に分散投資している銘柄を選ぶ
- ●「インデックスファンド」に絞る
- ●信託報酬(運用管理費用)が低い銘柄を選ぶ
- ●純資産総額が大きい銘柄を選ぶ
ファンドによく見られる先進国や新興国の株式等を投資対象にした銘柄は、多くの種類があり、投資経験の少ない投資初心者の方は何を基準に選ぶべきか、わかりにくいかもしれません。
大和コネクト証券が取扱う銘柄の中で投資初心者の方におすすめの銘柄は、eMAXIS Slim全世界株式やiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)などが候補に挙がってくるでしょう。
これらの銘柄は、全世界の上場株式に分散投資をしています。
世界人口の増加に連動して世界経済が成長する期待を持てるなら、よい銘柄候補になりそうです。
そのほか大和コネクト証券では、様々な賞で最優秀・優秀を受賞した銘柄を中心に、つみたて投資枠では、29銘柄を取扱っています。
『つみたて投資枠』
取扱い銘柄一覧
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『成長投資枠』も活用したい方におすすめの運用方法は?
老後資金に余裕のある方や、ある程度リスクをとってリターンを狙いたい方もいらっしゃるでしょう。
『成長投資枠』を使って個別株に投資する方法は、将来的な成長を見込んで株を選んだり、日々変動する市場の動きを読んで売買したりするなど、ある程度の知識や手間、時間が必要です。
そこで、『つみたて投資枠』で比較的リスクの低い商品を選び、『成長投資枠』ではつみたて投資枠では買えない個別の株式、さらにリスクを抑えるならより小額から投資できる単元未満株から株式への投資をはじめるのもおすすめです。
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